日本流星研究会

しし座流星群
(Leonids)




Last Updated : 2008/12/30

2001年に日本で1時間換算2000個近い見事な流星雨を見せたしし座流星群は記憶に新しいでしょう。1999年,2001年,2002年と1時間あたりの流星数が1,000個を超える流星雨となり,これまでの流星天文学を飛躍的に向上させました.その後は,大出現を見せてはいませんが,2008年に100個近い活動を見せるなど,時折多くの出現を見せています.
通常時はほとんど活動がみられないほどまでに活動レベルが落ちると考えられていますが,実際は観測で確かめるしかありません.毎年の監視観測をよろしくお願いします。
また,しし座流星群は流星群の中では対地速度が最も早く,明るい流星の出現比率も高いため,火球の出現も期待できますので,月明かりがあっても気落ちすることなく観測しましょう。


2009年 しし座流星群に注目!

 Jeremie Vaubaillon 氏らは,2008年に突発出現したしし座流星群の結果を解析し,2009年のしし座流星群について、1466年(16回帰前)に放出されたダストが、日本時間で2009年11月18日6:43分頃に地球と遭遇するとの計算結果を公開しています。彼らによれば、ペルセウス座流星群の5倍程度の突発出現程度にはなるのではないかとみており、理想条件下における1時間あたりの流星数(ZHR)で500個程度,実際には1時間あたり換算(HR)で100個〜最大で200個レベルかと思います。

 観測条件は月明かりもなく好条件なのですが,日本では極大時刻の6時頃は既に周りが明るいため,好条件下となるのは西アジアです。日本では18日の明け方,しし座が登る夜半以降が観測条件としては最適です。18日未明には是非空を見上げてみてください。さすがに2001年までの流星雨とはいきませんが,冬のふたご座流星群よりも多めの活動が期待できると思います。

 一方,流星電波観測を実施できる方は,流星電波観測では昼前まで観測が可能ですので,是非,明け方以降のしし座流星群の活動を追いかけてみてください。


遭遇するダスト 1466年生成(16公転前)
遭遇する日時 2009年11月18日06:43(日本時間) 前後数時間
(太陽黄経:235.54461度)
遭遇条件 距離:-0.000447AU,f_M:0.195,
想定最大流星数 ZHR = 500 (*1)
推定HR = 200 (*2)
 ※日本では予想通りとすると,夜明け前に10分あたりに30個くらいが最大か?
(*1) ZHR: 理想条件下における1時間あたりの流星数を示しますので,実際に見られる流星数とは異なります。
(*2) HR : 通常私たちが見られる流星数を1時間あたりに換算した数値。実際に見られる流星数と近い値。


※ご留意事項
 本情報は、大出現を確実視するものではありません。また、今後の情報により変更される場合もありますので、適宜ホームページや参考資料のご確認をお願いします。
 また、様々なページに現段階(2008年12月時点情報)で「1時間あたりの流星数が500個」とありますが、この数値は「理想条件下での1時間あたりの流星数(ZHR)」ですので、実際に見られる流星数は空の明るさや観測条件によって半減ほどになると思われますので、数字の扱いにはご注意ください。


 参考資料



しし座流星群のデータ

  日本流星研究会
(NMS)
国際流星機構
(IMO)
流星群名称 しし座流星群
英文表記 Leonids
流星群コード   LEO
活動期間 10月下旬 〜 11月下旬 11月10日 〜 11月23日
極大太陽黄経 234.5?(11月17日頃) 235.27(11月18日頃)
極大時輻射点位置 赤経 = 152
赤緯 = +22
赤経 = 153
赤緯 = +22
性状 高速
極大出現数(ZHR):15+ (流星雨となることもある)
光度比:2.5
対地速度:71km/s
観測可能時間帯 23時〜夜明け  
母天体 テンペル−タットル周期彗星 55P/Tempel-Tuttle
出典 天文回報 #688
「11月の観測指針」
(溝口秀勝;1999)
国際流星機構
「眼視観測ハンドブック」(J.Rendtel,et al;1995)
「A New Working List of meteor shower」 (2006年)


しし座流星群特集ページ

極大夜の観測条件(2009〜2015年)


参考資料



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